2011-01-01から1年間の記事一覧

本日のたつぞう(たつぞうと女性論と語り手)

以前に石川達三『結婚の生態』の感想を書いたですけれども、その後、たつぞうが気になってしまいたつぞうをいろいろ読んでいるです。 『結婚の生態』で気になってしもたんはなんといっても、「この主人公の男って現代のわたしの目で読めばまるで "フェミニズ…

森茉莉の文体の自由さに驚嘆

私はまだ、インスタント・ラアメンというものをたべたことがない。何うやって造えたものだか判らないし、又判ろうとも思わないが、あの透徹った袋の中に、生湿りの針金状になってとぐろを巻いている支那ソバの化けもの、――私は支那を中華民国とは絶対言わな…

神聖かまってちゃんとわが中学時代

神聖かまってちゃんは、当初聴いたときはあんまよくわからず、ニートとかひきこもりとかネット世代とかいうあまりにもあんまりに現代的なキーワードで語られてたのも、なんかあざとい印象を受けてたのだが、「夕方のピアノ」を聴いた途端、ぐわっ!これはも…

たつぞうといねこ(2)

こないだ石川達三の『結婚の生態』について書いたけど、同時期に、佐多稲子の『くれなゐ』を読んだので、そちらについても記。 べつに両作品はなんも関係ないのだが、だいたい同年齢の作家の、同時代に書かれた、どちらも結婚生活に関する話ということで、へ…

たつぞうといねこ(1)

石川達三の『結婚の生態』を読んだ。母の本棚にあったのでなんとなく。 『結婚の生態』は、1938年の作品とのこと(文庫化されたのは戦後)なのだが、これは面白い! 或る意味で。奇妙な読後感を得た。 amazonを見ると、レビューが一件だけあって、星ひとつ。…

「犬は家族です」という言い方について

「犬は家族です」という言い方をよく耳にする。最近なされるようになった表現なのだろうか。ためしにgoogleで「犬は家族」と検索してみると、「犬は家族」と主張してる人がたくさん見つかる。mixiにも、「犬は家族です」というコミュニティがある。 「犬は家…

嫁姑続き

嫁姑がいきなり自分の中でホットなテーマになり始めたので、永六輔『嫁と姑』を読んでみた。昔のコバルト文庫のように下半分の余白が多い……論っていうより箴言集&放談って感じだが、おもろいとこもあり。嫁と姑 (岩波新書)作者: 永六輔出版社/メーカー: 岩…

嫁姑漫画

わたしが生まれたとき家には大姑・姑・嫁がおり、嫁姑問題は幼い頃からそれはそれは切実な問題であったのであるが、それは我が家のことだけではなく、二世代三世代同居の多いわが地域では、どの家でもそれはそれはホットな問題で、今でも近所では姑さんらが…

婚礼と選択

父方いとこたちが皆、当たり前のように就職後すぐ結婚し子を設けてゆくのにに対し、たくさんいる母方いとこのうち誰ひとり年頃になっても結婚する気配がなかったのであるが、わたしはどちらかといえばこの母方親族のコミュニティのほうに帰属意識をもってい…

ふたりの祖母

父方祖母と母方祖母は同い年である。ふたりとも健在である。「健在」ということばが適切なのかは分からない。父方祖母は、認知症が本格化してきた。同時に、介護も本格化してくる。介護の中でもっとも大変なのは排泄の世話だとよく言われるが、排泄の世話で…