お話(創作)

どろぼう

麦藁帽の老女。私。杖をついた老女。三名が順番に乗り込み扉が閉まろうというときに、「ああ~ん、閉めちゃダメえ、待ってえ、乗せてえ」 と若い女が乗り込んできた。 妙に色っぽい発声だ。小さな駅のホームと改札階を行き来するだけのエレベータであるが、…

モモコ、姉になる

モモコ、姉になるついに姉になりやがった―――。 モモコの嘘には既に馴れてしまったが、何故姉にまでなる必要がある? 母は呆れ果てながらしばらく、インターフォンの前に立ち尽くしていたという。

着床出血

ちょっと早いが生理かね、と思って処置をしておいたのであったがそれきり出血は止まってしまい、とはいえちょっと出血して止まってしばらくして本格的に出血する、というのもままあるパターンであったので、別にさほど気にしてはいなかったのだが、ふと着床…